大判例

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東京地方裁判所 昭和45年(ワ)3407号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕<証拠>によれば、原告は昭和四五年四月から、ほぼ従前と同じように就労をするにいたつたが、それ以降一年間の収入をみるに、同年四月が金五万六五〇二円、五月が金七万六五〇九円、六月が金五万八八〇五円、七月が金七万五一五二円、八月が金四万七三〇三円、九月が金六万一五二八円、一〇月が金七万〇一三四円、一一月金一四万五二二円、一二月が金一五万七三六〇円、昭和四六年一月が金八万二一六三円、二月が金四万四一九九円、三月が金九万〇一六九円であつたことが認められ、これを覆えすに足る証拠はない。

これによると、昭和四五年四月から九月までの月平均を計算すると金六万二六三三円であつて、従前に比し月にして約三万円の減収となつていることが明らかであるが、その後の六カ月を計算してみると、月平均金九万七九二四円となつて、従前の給与にほぼ等しい給与を得るにいたつていることが認められる。しかし、片目が失明するにいたつた肉体労働者の労働能力が従前に比して大きく低下することは明らかであり、一時的に同程度の収入を多ることができたとしても、それだけでは今後も稼働の間中片目失明してない場合と同程度の収入を得ることができると推断するわけにいかないし、仮りに同程度の収入を得ることができるとしても、そのためには、同人は従前以上の労働時間と、精神的肉体的努力が必要となることは容易に推認されるところであつて、もし同人が事故に会うことなく、それだけの時間と努力とを傾注すれば、従前以上の収入を得るであろうことも明らかである。このように考えると、原告が従前と同程度の収入を得ているからといつて、片目を失明したことによつて得ることのできなくなつた利益部分の存在を否定することはできないが、現在のところ原告が従前と同程度の収入を得ている事実に鑑みると、その喪失率は控え目に計算されねばならず、月当り金二万円と算定するのが相当である。そして、弁論の全趣旨によれば、原告は通常人とかわりない健康を保持していたことが認められるから、同人の稼働可能である満六五才直前の昭和五二年二月まで、右利益喪失は継続すると推認されるので、同人の逸失は次のとおり金一四八万二二三円と算定される。

30,000×5,914+20,000×(71.1548−5,914)=1,482,236

(なお、5.914は月別法定利率による単利年金現価総額表の六月の係数、71.1548円は同八三月の係数) (田中康久)

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